5日公開の映画「うた魂♪」を鑑賞した。

この映画は北海道の合唱部に所属する

歌う事の好きな少女が挫折を

経験しながらも歌う楽しさを

知っていくストーリーである。

みんなで歌う合唱は全てが1つに

ならなければ成立しないけれど、

1つになった時には多くの人たちを

感動に包んでくれる事は間違いなく、

魂のハーモニーは多くの人の心を掴み

スタンディングオベーションをするだろう。
今年2作目の合唱ものだけれど、

こちらは高校が舞台の合唱という事で、

それぞれの合唱に掛ける思いや苦悩が描かれている。

この映画に登場する主人公のかすみは

歌う事の好きな女の子、

自分の声とルックスに自身を持っていた。

しかし自分の歌っている姿を観た途端

ショックで自分の歌が歌えなくなるところから

ストーリーは大きく動き出す。

そんな主人公かすみを中心に描かれる

ストーリーは実に見事なまでに描かれており、

普段忘れている事を思い出してくれる作品でもある。

それはレビューの中で書くとしよう。

キャスト

七浜高等学校合唱部ソプラノパートリーダーで

歌う事が凄く好きな自信過剰な女の子。

しかし自分の歌っている写真を見て愕然とし、

周りの思っていることを知ってから

自信を失い歌う事を辞めようとするが

ヤンキー集団の魂の合唱を聴いて

歌う楽しさを思い出す荻野かすみ演じる夏帆

湯の川学院高等学校合唱部部長・バスパート担当、

中学時代は荒れていたが、

路上ライブで尾崎豊の曲を歌うシンガーに

出会ってから歌う事に目覚める権藤洋演じるゴリ

七浜高等学校合唱部顧問で産休代員ということもあり、

どこか頼りないが音楽センスは抜群の鋭さを

持っている瀬沼裕子演じる薬師丸ひろ子

かすみの憧れの生徒会長で写真が趣味、

かすみの写真を撮ろうとかすみに申し込むが、

これがかすみを落ち込ませてしまう

原因となってしまう牧村純一演じる石黒英雄

七浜高等学校合唱部アルトパートリーダーで部長、

部長として厳しいが、誰よりもかすみの実力を買っていて、

かすみに厳しく接する松本楓演じる亜希子

七浜高等学校合唱部副部長でピアノ担当、

歌えない分をピアノに全身全霊を注ぐ

野村ミズキ演じる徳永えり

小学校時代からかすみと同じ学校やクラスになったが、

ある事件をキッカケでかすみを敵視し、

嫌う青柳レナ演じる岩田さゆり

七浜ケーブルテレビディレクターで

七浜合唱部を取材する黒木杏子演じるともさかりえ

かすみの祖父で彫刻家の荻野知恵蔵演じる間寛平

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

北海道のとある町。七浜高校合唱部の

ソプラノパートリーダー・荻野かすみは、

自分の歌声とルックスに異常なまでの自信を持つ女の子。

ある日、写真が趣味のイケメン生徒会長・牧村純一から、

「歌っている荻野さんが撮りたい!」

とモデルを頼まれて、かすみは、

「牧村は私のことが好きなんだ!!」と有頂天になる

合唱コンクールの北海道予選の壮行会。

恐るべきハイテンションで、自信満々に、

豊か過ぎるほど表情豊かに歌い上げるかすみの姿を、

カシャカシャとカメラで撮りまくる牧村。

だが、上がってきた写真は、目を見開き、

口を大きく開けた、インパクトたっぷりの顔ばかり。

「あたし、歌ってるとき、こんな顔してるの?」

と驚愕するかすみに、乙女心がわからない牧村は、

「産卵中のシャケみたいな顔でユーモラスじゃん」

とさらり。

しかもその写真を生徒会新聞に載せられてしまう。

激怒するかすみだが、牧村に思いを寄せる青柳レナに、

「正直言って、あなたの歌ってる顔って変だよ」

と追い討ちをかけられ、すっかり自信喪失。

傷心で、合唱部顧問の産休代員・瀬沼裕子先生に

ついに退部を申し出る。

が、意外にも「荻野さんの人生だもんね、

辞めちゃいなさい」とあっさり承諾されてしまう。

でも、瀬沼から「ラストステージは必要よ」と言われ、

やる気のないまま夏祭りの合唱祭に出場することに。

合唱祭でいきいきと歌う浴衣姿の七浜合唱部。

しかし、かすみだけはステージに上がっても

下を向いてばかりで、声を出すのもままならない。

心配した部長の松本楓とピアノ担当の

副部長・野村ミズキがわけを聞こうとするが、

かすみは二人を振り切ってしまう。

そこに突如現れたのは、番長・権藤洋が率いる、

湯の川学院高校のヤンキー合唱団。

おびえるかすみたちに、

ヤンキーたちは「負ける気がぜんぜんしねえ!」

と宣戦布告。

さらに権藤はかすみに

「さっき歌ってるとこ見たけど、

あんな歌い方、歌への冒涜だ」と指摘する。

そして、湯の川学院の歌が始まった。

尾崎豊の「15の夜」を熱く

ソウルフルに歌い上げる彼らを見て、

かすみは「すごい! 歌ってあんなに感情が

伝わってくるものなんだ」と大感激。

権藤に、歌うのが怖くなった理由を明かすが、

「必死になってる顔に疑問を持っていたら、

一生だせえまんまだ!」と叱咤激励され、

つい忘れかけていた歌への

自分の素直な思いに気付くのだった――

「歌いたい、あたしは歌いたいんだ!」。

地区予選当日。かすみの変化が、

七浜合唱部の仲間とそのステージを包み込み、

素敵な歌の奇跡を巻き起こそうとしていた・・・。

以上うた魂♪HPより


結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして歌う事には

外見じゃないんだ!

心なんだという事を見事描いてくれた作品だった。

主人公のかすみはどこか勘違いしている

自分は1番注目されているんだ

という意識過剰な女の子なんだけれど、

どこか憎めない女の子でもある。

そんなかすみも年頃の女の子なので恋をするが、

その相手牧村は彼女が歌っている姿が

好きだと言ってくれた。

自分の姿が好きと言ってくれた

かすみはスッカリ舞い上がる。

まあそれは好きな歌を歌って

その姿が好きと言われたらそれは誰もが

舞い上がっちゃうのも無理はない。

しかしそれがかすみにはショックな出来事だった。

それは自分の歌っている姿を知らなかったからだ。

まあ普通ビデオでも写さない限り

自分の姿ってわからないからね。

しかもその感想を聞いたことがなければ

当然自分は注目されていると思ってしまうものだ。

しかしその姿は自分だけ浮いていた姿だった。

まあこれについては私自身そんな一生懸命に

なっている姿が良いと言ってくれる人なら

良いと思うんだけれど、

女の子ってこういうところが難しいらしく、

自分の姿が産卵中のシャケと言われたら

それは確かにショックなのはわからなくはない。

自分らしさを失ったかすみは合唱の練習も欠席し続けて

ついには辞める結論を出す。

これについてだけれど、

自信を失ったから辞めるというのは

個人的にどうなんだろうか?

かすみは決して歌が嫌いになった訳じゃない。

私は昔野球をやっていたけれど、

下手だったけれど続けたかったが、

このままでは体すら壊すし、

何より愛する野球を嫌いになりたくなかったから

辞めたという経緯がある。

そういう経緯を経験したものからしたら

自信を失ったぐらいなら

自信を取り戻す気持ちを持ってほしい。

そんな思いを察してか顧問の瀬沼裕子は

かすみにラストステージを用意する。

それが夏休みの合唱祭だった。

しかしラストステージでも自分らしさを

失っていたかすみは部長に

辞めると告げて去ろうとするが、部長は納得いかない。

逃げるかすみ、追いかける部長と副部長、

捕まえたと思った瞬間周りはヤンキーだらけの

集団に囲まれ絶体絶命!

と思ったら実は湯の川学院の合唱部の面々だった。

そこで登場した部長の権藤がかすみたちに

向かって負ける気がしないと言って

自分たちのステージを見てほしいと告げる。

そして始まった湯の川学院の合唱は

確かに野郎どものステージでヤンキーな

面々でこわもて揃いだが、

歌には魂の入った歌を歌い会場の人の心に

届く素晴らしさだった。

ここで歌った曲は「15の夜」だけれど、

これは尾崎豊の代表曲で丁度20年以上前に

発表された曲である。

この曲がそれだけの月日が経つのかと

思うと時代を感じるが、

今の世代は尾崎を知らない世代なので無理もないが、

もし彼が今でも生きていたなら

おそらくここまで多くの人を捉えるほどだったのか?

と思うほど一部の若者たちが

熱狂するアーティストだった。

彼の人生はとにかく破天荒で反社会的な行為で

逮捕され実刑すら受けている。

その後遺症で26歳の若さで亡くなった訳だけれど、

亡くなってから彼の素晴らしい曲を

知った大人が彼の事を慕って止まなかった

若者たちの心と接した人たちもいたほど

亡くなって伝説になった事で尾崎の名が刻まれた。

私も亡くなる前は彼の曲を

多く触れた事はなかったけれど、

その人生が終わった後だったからこそ

私も彼を受け入れる事ができたのかもしれない。

青春時代の不安定な心を

その心境を書き綴る事って本当に難しい。

でも彼はそれができた人だった。

それが今でも心に残る曲として語り継がれている。

普通の人が経験できない事を

経験したからこそ書けた曲・・・

そういうアーティストは後にも先にも

尾崎豊だけでたくさんだと私は思っている。

実際に私自身同じ事をしたアーティストに対して

先日亡くなられた方の歌わせないではないが

二度と買わない!聴かない!

としているアーティストがいる。

もうそういう悲劇は繰り返してほしくない

という思いからだ。

話を戻すとそれに衝撃を受けたかすみは

権藤に誘われ歌について相談に乗ってもらう。

そこで権藤は歌を歌う時には・・・

フルチンになれ!

とかすみに言い放つ!

フルチン?

え〜と私女なんですけれど・・・

これはある意味心を裸にしてさらけ出せ

という意味であり、

かすみのありのままの姿こそ本当に

カッコいいんだという事を権藤は教える。

ここで何故か野球カードを出して

清原選手の事を例に出すが、

がむしゃらにやっている事だからこそカッコいい!

それは外見じゃないんだ!

気持ちなんだ!

そうかすみに教えてかすみにIamフルチンと

叫ばせてかすみの心を裸にした。

まあ表現はちょっと女の子には野蛮だが、

そういうさらけ出すという気持ちこそ

かすみに欠けていた。

そしてかすみは再び歌う事を決意するが、

今まで休んだ付けもあり、

部長はかすみを徹底的に干す。

そこでかすみを嫌うレナが現れ、

かすみにいいザマと言い放つが、これには訳があった。

これってある意味才能に対する嫉妬から来るもので、

歌が下手な事でいじめられて、

それをかすみが歌う事で助けたつもりが

逆にその上手さを見せ付けたという感じで

受け止められてしまった事でかすみを嫌っていた。

確かに下手な人じゃないとその気持ちって

理解できない事だよね。

私も起用じゃないので下手なものが数多いけれど、

下手下手と言われると本当に嫌なものだよ。

私は字が下手だから書くより

今ではパソコンで入力する事の方が

多いのは自分の字が下手といわれ続けた

トラウマから来るもので、

自分の字が読めないと言われるのは嫌なものだよ。

それと同じで歌が下手だと歌が上手い人に

嫉妬してしまうものだ。

これが上手いだけの人だと

その気持ちに気づかずかすみのように

鈍感になってしまう。

しかしそんなかすみも干された事で

今まで見えなかった部分を知る事で

他人の気持ちをかすみは知る事ができた。

そして北海道予選の当日まさかの事態に

かすみは権藤のところへ

向かってあの言葉を言い返す・・・

それは劇場で観てほしいけれど、

とにかくこれだけ合唱を前面に

押した作品も珍しいけれど、

それ以上にそれぞれの心理的な部分を

確り描いていた事も最大級に評価したい。

最後には「僕が僕であるために」

「青い鳥」の合唱は本当に素晴らしいと

スタンディングオベーションしたくなるほど

素晴らしいうた魂を感じ取った。

総評としてうたは下手や上手いじゃない!

魂が必要だ!

それをこの映画では刻銘に描いてくれた。

夏帆の演技も素晴らしかったし、

その他の出演者にエキストラの皆さんも

素晴らしい合唱を演じてくれた。

下手で悩んだり、

自信を失った時はうた魂で魂を注入してほしい!

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