16日公開の映画「奈緒子」を鑑賞した。

この映画は1994年から2001年まで

「ビッグコミック・スピリッツ」誌に

連載され人気を博したコミック「奈緒子」を

映画化した作品で、小学生の時に自らの不注意で

救ってくれた人を死なせてしまった

奈緒子が高校生になり、

当時小学生だった亡くなった人の少年と再会し

駅伝を通じて失った時間を埋めていくストーリーである。

駅伝を通じた中で1つのタスキを巡って

全員が一心同体になる瞬間を迎えてくれるだろう。
駅伝は個人競技の多い陸上において数少ない

団体競技だけれど、タスキを繋ぐ重さは箱根駅伝などを

通じて感じる事ができると思う。

今年の箱根駅伝では3校が途中棄権

という波乱のレースになったのは記憶に新しいが、

それだけ1つのタスキを繋ぐ事は重みがあるという事だ。

この奈緒子も駅伝を通じて失った時間を

奈緒子と雄介が取り戻すストーリーでもあるが、

小学生の時雄介の父親に助けられたが、

雄介の父親がその事が原因で命を失う事になり、

その負い目を背負って6年間生きてきた

奈緒子の事を雄介は未だに許せないでいる。

果たして雄介は奈緒子の事を

受け入れる事ができるのだろうか?

キャスト

東京の高校生。小学生の時にぜんそくの治療で

波切島で静養していた時に不注意で海に落ちてしまい、

助けてくれた雄介の父親を死なせてしまった

負い目を感じて生きてきたが6年振りに

雄介と再会して雄介を追いかける

篠宮奈緒子演じる上野樹里

波切高校1年生で日本海の疾風と呼ばれる天才ランナー。

幼い頃に死んだ父の影響で駅伝を始めるが、

父を死なせた奈緒子を許せないでいる

壱岐雄介演じる三浦春馬

波切島高校陸上部の顧問で雄介の父が

亡くなってから父親代わりをしている。

奈緒子と雄介の時間を動かそうとするが・・・

西浦天宣演じる笑福亭鶴瓶

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

喘息の療養で訪れた島で、

12歳の奈緒子は走ることが大好きな

10歳の少年・雄介と出会う。

ある時両親に連れられ釣り船で沖合に出た奈緒子は、

誤って海に転落、その時救助してくれた

雄介の父が命を落としてしまう。

その日以来、奈緒子は罪の意識に悩むことになる…。

それから6年の時が流れ、

雄介は高校陸上界期待のランナーになっていた。

駅伝に転向した雄介は、

やがて初めてのレースに挑戦することになり…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして小学生の時に

自分の不注意で雄介の父親を死なせてしまった奈緒子が、

6年もその重い十字架を背負って生きてきた中で

再び雄介と再会する。

雄介とすれば10歳の時に父親が亡くなり、

その原因が奈緒子にあると解れば

当然その責めを奈緒子に向けるのは純粋な気持ちだろう。

おそらくこれは誰もが抱く気持ちだと思う。

もしあなたがその状況になったら

その原因となった人を恨む事になるだろう。

そしてそれを背負う奈緒子は

その気持ちが晴れないまま6年の時が経ていた。

そして奈緒子が偶然陸上のスタッフをしていた

ところに雄介が選手としてエントリーしてきた事で

6年の時を経て再会する。

しかし再会した奈緒子は雄介が

まだあの事を許さずにいる事を知る。

人は1度恨んでしまうと

簡単にその恨みが消えないものだ。

6年位ではその気持ちが消えないのは当然かもしれない。

しかし雄介の事が気になった

奈緒子は雄介を追って長崎へ向かう。

そして突然給水係を頼まれた

奈緒子は雄介に水を手渡そうとするが

雄介はその水を受け取る事を拒否する。

その結果脱水症状を起こしてリタイヤしてしまう。

リタイヤしてしまった雄介は

タスキの重みを知る事にもなるが、

その前に奈緒子の存在も別の意味で気になる事になる。

気になる存在の奈緒子と雄介だけれど、

これって一種の恋と言ってしまえば良いのかも知れないが、

ただ雄介は奈緒子の本当の意味での

謝罪を受けていなかった事もここまで

引っ張ってしまった一因と考えれば解る気もするけれど、

普通ならこういう心境の関係を考えると

やはり会いたくないと思うものだ。

一方奈緒子は私が原因で雄介の父親を

死なせてしまったという重い十字架を

背負い続けている。

こういう場合って通常なら会わない方が

良いと考えるのだろうが、

奈緒子はその逆で雄介に恋をしてしまった事で

その心境が償いたいという思いも含んだ

恋になったのだと解釈する。

そしてその関係を知った西浦監督が

2人の時間を動かす為に引き合わせる事を画策し、

奈緒子を夏合宿にマネージャーとして

来てもらう事を奈緒子に提案する。

その提案に応じた奈緒子は雄介らの

合宿の手伝いをする事になる。

合宿内容はハードなものだけれど、

練習方法的には速い選手を先頭で走らせ、

その後に他の部員が追いかけるというパターンだが、

これは一種のペースメーカーを担っている。

ペースメーカーは先週行われた

東京マラソンで先導していた選手の事を指すが、

ある程度ペースを握った選手がいると

選手って付いていけるもので、

それがどこまで付いていけるかに掛かってくる。

私は長距離向きだったけれど、

とにかく先頭を走る人に付いていくと

何故か自分の実力以上の走りができるものだ。

その持久力を毎回つける事で次第に

スピードがついてくる。

それは実際にレースになって走らないと

その実力がついている事がわからないもので、

練習ではその実感がなかなかわからない。

そして猛練習で色々な葛藤を乗り越えて奈緒子と雄介、

雄介と部員の距離は縮まっていた。

確かにあれだけ速いと嫉妬してしまうけれどね。

そして始まった長崎高校駅伝・・・

各部員は雄介に繋ぐ、

そして西浦監督のために・・・

そしてみんなの為に一心同体となって

レースは進んでいき、アンカー雄介に渡るのだった・・・

結末は劇場で観てほしいけれど、

タスキを繋ぐ難しさとその重みを

ラストの40分で上手く描かれていたし、

練習を共に重ねることで奈緒子と雄介の蟠りは

次第に無くなっていった。

総評として駅伝の繋ぐ重み、

そして一心同体になってそれぞれが

止まっていた時間が動き出した奈緒子と雄介の思いを

実に上手く描いていた。

時間が解決するとは良く言うけれど、

奈緒子と雄介の場合は一緒にいる時間が

解決させたというべきかもしれない。

本当なら解ける事のなかった十字架と恨み・・・

しかしその本当の償いの心を知った時

その恨みは自然と消えていた。

確かに許せないかもしれない。

しかし本当の償いの気持ちがあり

感じる事ができるというなら

こういう償い方があって良いと思う。

ただ私の場合は例えその気持ちがあったとしても

十字架を背負って死ぬまで生きろと突き放すかな?

どんな事があってもその人の十字架って

死ぬまでなくなる事はないと思うし、

私もそういう十字架を背負って

生きているのだと感じるから・・・

別に誰かを死なせた(そんな事はしません)

というものではなく、色々重ねた事って消えないからね。

その十字架を受け入れられるか?

という事をこの作品では上手く説いていた。

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