15日公開の映画「包帯クラブ」を鑑賞した。
この映画は天童荒太さん原作の「包帯クラブ」
を映画化した作品で、
ある日包帯を心の痛む場所に巻いた事から始まり、
心の痛む場所に包帯を巻くクラブを作って
包帯を巻く5人の活動と心の傷を描いたストーリーである。
目に見えない心の傷を包帯で巻く事で癒そうとする
発想はなかなか良い点を突いていると思うし、
それぞれ何かの心の傷を負っている事も明らかになっていく。
この映画は天童荒太さん原作の「包帯クラブ」
を映画化した作品で、
ある日包帯を心の痛む場所に巻いた事から始まり、
心の痛む場所に包帯を巻くクラブを作って
包帯を巻く5人の活動と心の傷を描いたストーリーである。
目に見えない心の傷を包帯で巻く事で癒そうとする
発想はなかなか良い点を突いていると思うし、
それぞれ何かの心の傷を負っている事も明らかになっていく。
包帯クラブと聞いてどんなクラブなのだろうか?
とふと疑問に思いながら鑑賞したんだけれど、
話としては心理部分を描き、
そのトラウマを描く事でその傷の癒し方を
示した作品という事を解釈した。
心の傷(トラウマ)は目に見えないだけに
その痛みをなかなか解って上げられない。
でもそれが目に見えるなら
解って上げられるのではないだろうか?
そしてそこを治してあげる事で
その傷も癒えるのではないだろうか?
と始まった包帯クラブのメンバー5人も
それぞれの傷を抱えていた。
それはレビューで書きたいと思う。
キャスト
変な関西弁を操り、突拍子もない行動に出る男の子。
病院で偶然出会ったワラの心の傷を知り、
咄嗟にフェンスに包帯を巻く。
それでワラの心を癒した事で始まった包帯クラブ、
だがそのディノにも大きな心の傷を抱えていた・・・
井出埜辰耶通称ディノ演じる柳楽優弥
中学時代、ワラ、タンシオ、テンポ、リスキの
親友4人で<方言クラブ>を作っていた。
現在は両親の離婚により
母と弟の3人暮らしで普通に暮らし、
普通に就職しようと思っていた。
しかしディノとの出会いで包帯クラブの活動を
通じて変わっていく騎馬笑美子通称ワラ演じる石原さとみ
友達から送られた包帯のメールに感動し、
ワラとタンシオと出会う浪人生、
包帯クラブではHPの作成を担当する
柳元紳一通称ギモ演じる田中圭
ワラの親友。ワラが彼女の失恋した場所に
包帯を巻いて慰めてあげたことが
包帯クラブのキッカケになった
丹沢志緒美通称タンシオ演じる貫地谷しほり
家庭の事情により高校へ進学せず、飲食店で働いている。
見た目は不良だが、料理上手で優しい性格。
ワラとタンシオに誘われて包帯クラブに
入る芦沢律希通称リスキ演じる佐藤千亜妃
高校は進学校へ通い、
ワラ、タンシオ、リスキと距離を置く。
裕福な家庭に育つが、人知れず悩みを抱えている。
包帯クラブの活動をバカにするが・・・
本橋阿花里通称テンポ演じる関めぐみ
他多数の出演者でストーリーが進行する。
ストーリー
関東近県の、青空が突き抜ける、
それでいてちょっとたそがれた中都市。
イマドキの女子高生・笑美子(通称ワラ)は、
一見普通に学園生活を送りながらも、
心の底に闇を抱えている。
ふと出来心で病院の屋上のフェンスを乗り越えた時、
妙な関西弁を操る入院患者の少年、
井出埜辰耶(通称ディノ)に出会う。
手首の切り傷を「料理している時に失敗して切っただけ」
と言い張るワラの心の闇を直感的に見抜いたディノは、
ワラの乗り越えたフェンスに
ワラの手首に巻かれていた包帯を結び付ける。
「!?」「手当て、や」。
それは、青空になびく白い旗のよう。
なぜか、心から流れ出る血が止まったように
感じるワラ。これが、「包帯クラブ」の始まりだった。
ワラの中学の同級生で、
彼氏と別れたばかりで落ち込んでいる
丹沢志緒美(タンシオ)、
そのメル友のメル友で浪人生の柳元紳一(ギモ)が、
言いだしっぺのワラとディノに加わり、
4人による「包帯クラブ」が発足、活動を始める。
「包帯クラブ」の活動とは、
「傷付いた人の、傷付いた場所に、包帯を巻きに行く、
そして、その包帯の巻かれた風景をデジカメで撮影し、
傷付いた人のアドレスに送り返してあげる」というもの。
パソコン操作が得意のギモは、
ホームページを立ち上げ、
ワラやディノは大量の包帯を買出しに行き、
投稿に備える。
そして……サッカーの試合でのオウンゴールを
きっかけにイジメを受けている少年に届く、
包帯巻きのゴールポストの写真。
美容院で髪型じゃなく顔を変えろと
罵倒された女の子に届く、
件の美容院前で包帯ぐるぐる巻きで
号泣しているタンシオの写真。
さらにワラとタンシオの中学時代の友だちの
芦沢律希(リスキ)が「包帯クラブ」に加わり、
いつしか?ゲーム感覚?で、
包帯巻きに熱中するワラたち。
投稿者との間に癒しの気持ちが通うと同時に、
包帯巻きの校庭の鉄棒、包帯巻きのバス停、
包帯巻きの雑草の花等々、
街中に包帯の風景が溢れていく。
人の為に包帯を巻く包帯クラブ部員たちだったが、
自分たちだって、包帯を巻いて欲しいことには変わりない。
活動に熱中すればするほど、
ワラたち自身の?未だ癒えない傷?が顕になっていく。
ギモには、小学校の理科実験室での忌まわしい過去。
ディノには、決して取り返せない、
友人との出来事。そして、ワラは、中学時代の友だちで、
今は全く会わなくなった優等生の
本橋阿花里(テンポ)のことが
心に引っ掛かり続けているのだった。
そんな折、包帯クラブの活動が、ある密告によって、
取り締まられだす。
ワラやタンシオは教師から犯人だろうと締め上げられ、
包帯のある風景が警官の手によって撤去されていく。
密告の主は一体誰なのか?
ディノが心に抱え続けてきた出来事とは何なのか?
包帯クラブ結成以来最大の危機を、少年少女たちは、
いかに乗り越えていくのか―――
以上東映HPより
結末は劇場で観てほしいけれど、
今回のレビューとして包帯を巻く事で心の傷が
癒されるという発想そのものはとても良い発想だと思った。
癒す(ケア)ためにはどうしたらよいのか?
という点については外傷で見える傷については
外科手術で治せるので問題ないが、
心の傷を癒す方法というのは
これが完全に確立されていない面が多い。
薬により傷を癒す方法もあれば、音楽で癒す方法もある。
そして環境で癒される事も・・・
どれが完全な治療法なのかは
人それぞれなので決定打がない。
ゆえに今回出てきた包帯は本来外傷を
負った部分を保護するものだが、
それを心の傷を負った場所に巻くというのが
ある意味精神的な治療といえる部分があるだろう。
それで今回登場したディノは自らの体を
痛める事で人の痛みを知ろうと
する変わった関西弁を話す少年だった。
確かに痛みを知れ!という発想はわかるものの、
怪我するまでやるのはさすがに行き過ぎである。
その理由は最後で解るんだけれど、
それを止めてあげる人が側にいなかったのが
彼にとって辛い心の傷を負う事になっているとは・・・
そしてそれ以外の面々もそれぞれ心の傷を負っている。
ワラは両親が離婚して自分の存在意義について悩み、
タンシオは失恋した傷、ギモは少年期に負った性的な傷、
リスキは自宅の工場が倒産して高校に行けなかった傷、
テンポは裕福な中でも愛の無い傷を負っていた。
それぞれの傷は世の中でも有り触れている傷でもあるけれど、
その治療法というはそれぞれ違ってくるわけで、
このストーリーの中ではワラ、タンシオ、リスキは
その場所に包帯を巻く事で傷を
回復させる事で傷が癒えていく。
これはある意味心理的なものもあるし、
精神的なものもある。
そしてギモは彼女らと違い場所を
焼き払う事で傷が癒される。
しかし最後までクラブに入らなかったテンポは
包帯を巻く事で癒される事にある種バカにしていた。
しかし内心は違っていた訳だけれど、
素直になれないリスキはワラたちの行動を
偽善者と密告し中傷してしまう。
ここでは包帯クラブの始まったキッカケが
ディノとワラの出会いなんだけれど、
そこにタンシオが感激し、
ギモが感激してHPまで作成してしまう。
そのHPを観て感動した閲覧者がメールで
私にも包帯を巻いてほしいと問い合わせてくる。
その問い合わせにメンバーが答えてその場所に
包帯を巻いて写真に残し依頼者に報告する。
それが包帯クラブの活動だった。
しかしその活動は1つ問題があった。
その場に包帯を巻く事そのものは許可さえ
取れば問題なくやれると思う。
但しその所有者の理解を得られるかは
別問題とするけれど、
この活動は許可を得ずゲリラ的に行っていた。
ゲリラ的に行うのは差し引いても包帯を巻いて
そのまま放置するのはやはり外見上良くないし、
他人に迷惑が掛かってしまう。
後先考えず行動してしまったため
ワラたちは警察にまで追われる事になるんだけれど、
そのキッカケを作ったのがリスキだった。
これはある意味の嫉妬から来るものだけれど、
嫉妬に駆られるとどうしても相手に意地悪したくなる。
その結果BBS(掲示板)に偽善者と書き込む。
まあこれはIPを調べれば何処で
書かれたものかはわかるんだけれど、
ネットカフェだと人物までは特定できない。
それがキッカケにHPは炎上してしまい、
警察も動き出してしまう。
まあよくネットの炎上という言葉が
最近良く耳にする言葉になったけれど、
人の心理って怖いもので、
1つのキッカケにそのものを餌食にするやからが
面白半分に心無き中傷をするんだけれど、
そういう人って自分のハッキリした意見が無いよね。
批判するにもそれ相応の理由と意見を述べるなら
管理者としても良いけれど、
一方的に中傷するだけだとただ攻撃しているだけになる。
私も長年ネット経験して経験したけれど、
大体中傷する人って絶対というほどアドレスは載せない。
要するに一方的だ。
しかし批判と自らの意見を確り書く人は
アドレスを残す人は多い。
それは確りした自らの意見を持っているからであり、
逃げる事はしない。
私も不特定多数の閲覧者が来るサイトなので
コメントを残すケースがあるけれど、
一方的な批判する人はサイトを持たず、
さらにこちらから意見を述べる術を持たせない。
ゆえにここでコメントするしかない。
サイトを持っていれば少なくても
TBをすることが可能なのでその中で意見を書けるが、
要するに中傷する奴らは卑怯なのだ。
自分の都合が悪くなるのを解っているから
常に逃げれる事を考えている。
捕まらない事を良い事にね。
私はよほど中傷だけで答えようの無いコメント以外は
確り答えるようにしているので、逃げたら負けだ。
逃げなくても勝つ訳じゃないが、
現実から逃げてはならないだろう。
その予測をできる人ならこの事を書いたら
どうなるのか予知できるが、
おそらくリスキはそれを予測できなかっただろう。
もちろんワラたちも自分たちの行動が
そんな大変な事になると想像も
できなかっただろうけれどね。
そしてその直後リスキが失踪する騒ぎで
ワラたちはリスキを探すが見つからない。
その中で閉鎖した包帯クラブのHPを
再開させリスキを探す方法として
再び包帯を巻き始めるメンバーだったが、
これが大騒ぎになっていく・・・
それは劇場で観てほしいけれどね。
そしてディノが負っていた心の傷についても
正直ねもしその場に自分がいたら
自分がそのようになっていた事に
身代わりになったもう1人の親友に
対して罪悪感を覚え、
自らも会う事ができなくなってしまった。
確かに親友と思っていた子が突然・・・
あのような事になればそれはショックだろうし、
その動機を解ってあげれなかった
自分を責めるのは仕方ないかもしれない。
それが原因で自らを痛める事で
痛みを知ろうとするディノだった。
この出来事についての動機という点に
ついても正直難しいよね。
人それぞれ他人をどう思っているかは
解らない部分が多いから
解っていたらどうにかなったのか?
それとも・・・
最後の動機については私自身答えを出し切れない。
ただどんな理由でもやってはならない事には
変わりないのだから・・・
許される事は絶対無いのだから・・・
総評として人の痛みを知ろうとする
気持ちは十分受け取って良いと思うし、
その心の傷を包帯で表現しようとしたのは
良いアイディアとして受け取って良い作品だと思う。
但しいくら表現してもちゃんと
後始末をしなければならないし、
警察の厄介になるような事は慎まなければならない。
そしていくら痛みを知ろうという理由でも
自らの体を痛めてまで知ろうとした
行動はあまりにも行き過ぎである。
確かに目には目を!歯には歯を!というのは解るが、
体の傷も場合によっては元に戻せないので
行き過ぎないようにしてほしい。
心の傷を負っている人が多い世の中で
それぞれの心の傷の癒し方を見つけてほしいと思う。
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包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)
包帯クラブ 1 (1) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
包帯クラブ 2 (2) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
「包帯クラブ」オリジナル・サウンドトラック
強くなれ
とふと疑問に思いながら鑑賞したんだけれど、
話としては心理部分を描き、
そのトラウマを描く事でその傷の癒し方を
示した作品という事を解釈した。
心の傷(トラウマ)は目に見えないだけに
その痛みをなかなか解って上げられない。
でもそれが目に見えるなら
解って上げられるのではないだろうか?
そしてそこを治してあげる事で
その傷も癒えるのではないだろうか?
と始まった包帯クラブのメンバー5人も
それぞれの傷を抱えていた。
それはレビューで書きたいと思う。
キャスト
変な関西弁を操り、突拍子もない行動に出る男の子。
病院で偶然出会ったワラの心の傷を知り、
咄嗟にフェンスに包帯を巻く。
それでワラの心を癒した事で始まった包帯クラブ、
だがそのディノにも大きな心の傷を抱えていた・・・
井出埜辰耶通称ディノ演じる柳楽優弥
中学時代、ワラ、タンシオ、テンポ、リスキの
親友4人で<方言クラブ>を作っていた。
現在は両親の離婚により
母と弟の3人暮らしで普通に暮らし、
普通に就職しようと思っていた。
しかしディノとの出会いで包帯クラブの活動を
通じて変わっていく騎馬笑美子通称ワラ演じる石原さとみ
友達から送られた包帯のメールに感動し、
ワラとタンシオと出会う浪人生、
包帯クラブではHPの作成を担当する
柳元紳一通称ギモ演じる田中圭
ワラの親友。ワラが彼女の失恋した場所に
包帯を巻いて慰めてあげたことが
包帯クラブのキッカケになった
丹沢志緒美通称タンシオ演じる貫地谷しほり
家庭の事情により高校へ進学せず、飲食店で働いている。
見た目は不良だが、料理上手で優しい性格。
ワラとタンシオに誘われて包帯クラブに
入る芦沢律希通称リスキ演じる佐藤千亜妃
高校は進学校へ通い、
ワラ、タンシオ、リスキと距離を置く。
裕福な家庭に育つが、人知れず悩みを抱えている。
包帯クラブの活動をバカにするが・・・
本橋阿花里通称テンポ演じる関めぐみ
他多数の出演者でストーリーが進行する。
ストーリー
関東近県の、青空が突き抜ける、
それでいてちょっとたそがれた中都市。
イマドキの女子高生・笑美子(通称ワラ)は、
一見普通に学園生活を送りながらも、
心の底に闇を抱えている。
ふと出来心で病院の屋上のフェンスを乗り越えた時、
妙な関西弁を操る入院患者の少年、
井出埜辰耶(通称ディノ)に出会う。
手首の切り傷を「料理している時に失敗して切っただけ」
と言い張るワラの心の闇を直感的に見抜いたディノは、
ワラの乗り越えたフェンスに
ワラの手首に巻かれていた包帯を結び付ける。
「!?」「手当て、や」。
それは、青空になびく白い旗のよう。
なぜか、心から流れ出る血が止まったように
感じるワラ。これが、「包帯クラブ」の始まりだった。
ワラの中学の同級生で、
彼氏と別れたばかりで落ち込んでいる
丹沢志緒美(タンシオ)、
そのメル友のメル友で浪人生の柳元紳一(ギモ)が、
言いだしっぺのワラとディノに加わり、
4人による「包帯クラブ」が発足、活動を始める。
「包帯クラブ」の活動とは、
「傷付いた人の、傷付いた場所に、包帯を巻きに行く、
そして、その包帯の巻かれた風景をデジカメで撮影し、
傷付いた人のアドレスに送り返してあげる」というもの。
パソコン操作が得意のギモは、
ホームページを立ち上げ、
ワラやディノは大量の包帯を買出しに行き、
投稿に備える。
そして……サッカーの試合でのオウンゴールを
きっかけにイジメを受けている少年に届く、
包帯巻きのゴールポストの写真。
美容院で髪型じゃなく顔を変えろと
罵倒された女の子に届く、
件の美容院前で包帯ぐるぐる巻きで
号泣しているタンシオの写真。
さらにワラとタンシオの中学時代の友だちの
芦沢律希(リスキ)が「包帯クラブ」に加わり、
いつしか?ゲーム感覚?で、
包帯巻きに熱中するワラたち。
投稿者との間に癒しの気持ちが通うと同時に、
包帯巻きの校庭の鉄棒、包帯巻きのバス停、
包帯巻きの雑草の花等々、
街中に包帯の風景が溢れていく。
人の為に包帯を巻く包帯クラブ部員たちだったが、
自分たちだって、包帯を巻いて欲しいことには変わりない。
活動に熱中すればするほど、
ワラたち自身の?未だ癒えない傷?が顕になっていく。
ギモには、小学校の理科実験室での忌まわしい過去。
ディノには、決して取り返せない、
友人との出来事。そして、ワラは、中学時代の友だちで、
今は全く会わなくなった優等生の
本橋阿花里(テンポ)のことが
心に引っ掛かり続けているのだった。
そんな折、包帯クラブの活動が、ある密告によって、
取り締まられだす。
ワラやタンシオは教師から犯人だろうと締め上げられ、
包帯のある風景が警官の手によって撤去されていく。
密告の主は一体誰なのか?
ディノが心に抱え続けてきた出来事とは何なのか?
包帯クラブ結成以来最大の危機を、少年少女たちは、
いかに乗り越えていくのか―――
以上東映HPより
結末は劇場で観てほしいけれど、
今回のレビューとして包帯を巻く事で心の傷が
癒されるという発想そのものはとても良い発想だと思った。
癒す(ケア)ためにはどうしたらよいのか?
という点については外傷で見える傷については
外科手術で治せるので問題ないが、
心の傷を癒す方法というのは
これが完全に確立されていない面が多い。
薬により傷を癒す方法もあれば、音楽で癒す方法もある。
そして環境で癒される事も・・・
どれが完全な治療法なのかは
人それぞれなので決定打がない。
ゆえに今回出てきた包帯は本来外傷を
負った部分を保護するものだが、
それを心の傷を負った場所に巻くというのが
ある意味精神的な治療といえる部分があるだろう。
それで今回登場したディノは自らの体を
痛める事で人の痛みを知ろうと
する変わった関西弁を話す少年だった。
確かに痛みを知れ!という発想はわかるものの、
怪我するまでやるのはさすがに行き過ぎである。
その理由は最後で解るんだけれど、
それを止めてあげる人が側にいなかったのが
彼にとって辛い心の傷を負う事になっているとは・・・
そしてそれ以外の面々もそれぞれ心の傷を負っている。
ワラは両親が離婚して自分の存在意義について悩み、
タンシオは失恋した傷、ギモは少年期に負った性的な傷、
リスキは自宅の工場が倒産して高校に行けなかった傷、
テンポは裕福な中でも愛の無い傷を負っていた。
それぞれの傷は世の中でも有り触れている傷でもあるけれど、
その治療法というはそれぞれ違ってくるわけで、
このストーリーの中ではワラ、タンシオ、リスキは
その場所に包帯を巻く事で傷を
回復させる事で傷が癒えていく。
これはある意味心理的なものもあるし、
精神的なものもある。
そしてギモは彼女らと違い場所を
焼き払う事で傷が癒される。
しかし最後までクラブに入らなかったテンポは
包帯を巻く事で癒される事にある種バカにしていた。
しかし内心は違っていた訳だけれど、
素直になれないリスキはワラたちの行動を
偽善者と密告し中傷してしまう。
ここでは包帯クラブの始まったキッカケが
ディノとワラの出会いなんだけれど、
そこにタンシオが感激し、
ギモが感激してHPまで作成してしまう。
そのHPを観て感動した閲覧者がメールで
私にも包帯を巻いてほしいと問い合わせてくる。
その問い合わせにメンバーが答えてその場所に
包帯を巻いて写真に残し依頼者に報告する。
それが包帯クラブの活動だった。
しかしその活動は1つ問題があった。
その場に包帯を巻く事そのものは許可さえ
取れば問題なくやれると思う。
但しその所有者の理解を得られるかは
別問題とするけれど、
この活動は許可を得ずゲリラ的に行っていた。
ゲリラ的に行うのは差し引いても包帯を巻いて
そのまま放置するのはやはり外見上良くないし、
他人に迷惑が掛かってしまう。
後先考えず行動してしまったため
ワラたちは警察にまで追われる事になるんだけれど、
そのキッカケを作ったのがリスキだった。
これはある意味の嫉妬から来るものだけれど、
嫉妬に駆られるとどうしても相手に意地悪したくなる。
その結果BBS(掲示板)に偽善者と書き込む。
まあこれはIPを調べれば何処で
書かれたものかはわかるんだけれど、
ネットカフェだと人物までは特定できない。
それがキッカケにHPは炎上してしまい、
警察も動き出してしまう。
まあよくネットの炎上という言葉が
最近良く耳にする言葉になったけれど、
人の心理って怖いもので、
1つのキッカケにそのものを餌食にするやからが
面白半分に心無き中傷をするんだけれど、
そういう人って自分のハッキリした意見が無いよね。
批判するにもそれ相応の理由と意見を述べるなら
管理者としても良いけれど、
一方的に中傷するだけだとただ攻撃しているだけになる。
私も長年ネット経験して経験したけれど、
大体中傷する人って絶対というほどアドレスは載せない。
要するに一方的だ。
しかし批判と自らの意見を確り書く人は
アドレスを残す人は多い。
それは確りした自らの意見を持っているからであり、
逃げる事はしない。
私も不特定多数の閲覧者が来るサイトなので
コメントを残すケースがあるけれど、
一方的な批判する人はサイトを持たず、
さらにこちらから意見を述べる術を持たせない。
ゆえにここでコメントするしかない。
サイトを持っていれば少なくても
TBをすることが可能なのでその中で意見を書けるが、
要するに中傷する奴らは卑怯なのだ。
自分の都合が悪くなるのを解っているから
常に逃げれる事を考えている。
捕まらない事を良い事にね。
私はよほど中傷だけで答えようの無いコメント以外は
確り答えるようにしているので、逃げたら負けだ。
逃げなくても勝つ訳じゃないが、
現実から逃げてはならないだろう。
その予測をできる人ならこの事を書いたら
どうなるのか予知できるが、
おそらくリスキはそれを予測できなかっただろう。
もちろんワラたちも自分たちの行動が
そんな大変な事になると想像も
できなかっただろうけれどね。
そしてその直後リスキが失踪する騒ぎで
ワラたちはリスキを探すが見つからない。
その中で閉鎖した包帯クラブのHPを
再開させリスキを探す方法として
再び包帯を巻き始めるメンバーだったが、
これが大騒ぎになっていく・・・
それは劇場で観てほしいけれどね。
そしてディノが負っていた心の傷についても
正直ねもしその場に自分がいたら
自分がそのようになっていた事に
身代わりになったもう1人の親友に
対して罪悪感を覚え、
自らも会う事ができなくなってしまった。
確かに親友と思っていた子が突然・・・
あのような事になればそれはショックだろうし、
その動機を解ってあげれなかった
自分を責めるのは仕方ないかもしれない。
それが原因で自らを痛める事で
痛みを知ろうとするディノだった。
この出来事についての動機という点に
ついても正直難しいよね。
人それぞれ他人をどう思っているかは
解らない部分が多いから
解っていたらどうにかなったのか?
それとも・・・
最後の動機については私自身答えを出し切れない。
ただどんな理由でもやってはならない事には
変わりないのだから・・・
許される事は絶対無いのだから・・・
総評として人の痛みを知ろうとする
気持ちは十分受け取って良いと思うし、
その心の傷を包帯で表現しようとしたのは
良いアイディアとして受け取って良い作品だと思う。
但しいくら表現してもちゃんと
後始末をしなければならないし、
警察の厄介になるような事は慎まなければならない。
そしていくら痛みを知ろうという理由でも
自らの体を痛めてまで知ろうとした
行動はあまりにも行き過ぎである。
確かに目には目を!歯には歯を!というのは解るが、
体の傷も場合によっては元に戻せないので
行き過ぎないようにしてほしい。
心の傷を負っている人が多い世の中で
それぞれの心の傷の癒し方を見つけてほしいと思う。
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包帯クラブ 1 (1) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
包帯クラブ 2 (2) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
「包帯クラブ」オリジナル・サウンドトラック
強くなれ