21日公開の映画「神童」を鑑賞した。

この映画は19歳落ちこぼれピアニストの浪人生と

13歳天才ピアニストの中学生との出会いから始まり、

お互いのピアノを通じてそれぞれの場所を

見つけていくストーリーである。

音楽を1度でも触れた事がある人なら

ピアノの難しさと才能が必要な事がわかる作品であり、

尚且つ音楽の真髄を感じ、

1番難しい時期の心を感じながら

鑑賞する作品になるだろう。
私も20年前にピアノを習い、

毎日練習していた時期もあったし、

何より発表会に出た経験もした。

それはもう大昔の話だけれど、

そういう経験をしているので

ピアノがいかに毎日練習しなければ上手くならないし、

さらに一定の水準を保つのが難しいかも知っている。

今は全くやっていないけれど、

その経験が今の音楽の基礎になっている。

今回登場する主人公の成瀬うたは絶対音感の持ち主であり、

言葉を覚える前にピアノを覚えたという天才ピアニスト、

しかしうたはメニエール病という耳の病気を患っており、

発作や耳鳴り、難聴を引き起こし、

発作を繰り返すと聴力を低下させる。

これはまだよくわからない病気らしいんだけれど、

感じとすれば絶対音感を持ったばかりに

患った病気と言えるかもしれない。

それはレビューしながら書いて行きたいと思う。

キャスト

生まれた時言葉を覚えるより、

ピアノの楽譜が読めた天才ピアニストで

絶対音感を持っているがメニエール病という

耳の病気を患っている成瀬うた演じる成海璃子

八百屋の跡取りだが、

音楽を諦めきれず浪人して音大を目指す。

成瀬うたとの出会いで音楽に対する

気持ちをさまざま考えさせられる

菊名和音(ワオ)演じる松山ケンイチ

入学した音大の声楽科に在籍し、

ワオがスランプになっている時に

教授に紹介されてワオの伴奏で歌を歌う

賀茂川香音演じる貫地谷しほり

うたの母親でうたの才能で借金返済を考える

成瀬美香演じる手塚理美

うたの父親で天才ピアニストと言われたが、

うたと同じ病気で苦しみ亡くなった

成瀬光一郎演じる西島秀俊

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

「おい!お前!」ボートで寝ていたワオがうたと

出会ったのはうたの人形が投げ込まれたのが

キッカケだった。

ある日商店街に迷い込んだうたは

偶然ワオの八百屋に辿り着き、

ワオが弾いていたピアノを突然弾き出して、

美しいピアノを奏でる。

それからワオとうたの関係が始まった。

ワオは現在浪人中の音大を目指して

日々ピアノを弾いている毎日、

うたはまだ中学1年生でありながらも

そのピアノの才能は天才と称されるほどの

凄い腕をもっていた。

しかしうたは天才と言われた父光一郎を

亡くしてから家は取られて母の美香1人で

昼夜働きながらうたにピアノを習わせていた。

手を大事にする施しをしているため

学校でも体育の授業は常に見学と何時も

孤独を味わっていたうた、そんな時ワオと出会い、

ワオの下手なピアノを聴く事で埋められない

心の溝を埋めていった。

一方ワオもうたと出会った事で次第に

ピアノが上達するが、うたのピアノを聴くと

自分の力のなさを痛感する。

そしてワオの音大受験の日が訪れた。

緊張のあまり会場から逃げ出すワオだったが、

その会場前にはうたがいた。

うたに励まされ再度受験会場に向かうワオそして・・・

ワオは音大に合格し、まさかの首席で入学を果す。

しかし入学してからワオはうたの励まされた

奇跡から冷めたように上手くピアノを弾けない。

あの時は何だったのか?と教授に問われ、

見捨てられかけたワオだったが、

そこに救いの手を差し伸べたのが

御子柴教授で御子柴教授の計らいで

声楽科に所属する賀茂川香音を紹介され、

伴奏を担当する。

その頃うたは父のかたみだったピアノを

売り払われてしまっていた。

そんなある日うたはワオの通う音大に行き、

ピアノを伴奏する。

そこでうたは父の事をしる御子柴教授から

父の事を聞かされる。

それと同時にうたは耳鳴りと

めまいが激しくなっていった。

そんなある日うたはリヒテンシュタインを紹介され、

リヒテンシュタインはうたにピアノを選ばさせ

そのピアノをコンサートで伴奏するピアノとした。

そしてリヒテンシュタインのコンサートの日、

リヒテンシュタインは公演を中止と言い出し、

その代演者にうたが指名される。

そのステージに母の美香は無謀だと反対するが、

うたは自らの意思で弾きたいと言ってステージへと向かう。

そしてその直前にワオが掛けつけて一言うたに告げる。

そして演奏の幕は切って落とされた。

そしてうたの伴奏が始まった・・・

そしてうたは・・・

ある場所へと向かうのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてはまずうたは

常に孤独の中で音楽と共にいたという事が

率直に感じる事だ。

生まれながらに言葉より楽譜が読め、

さらに絶対音感を身につけていたうたには

全ての音がドレミの音となってリズムを

簡単に読み取れる能力が備わっていた。

絶対音感とは生まれながらに全ての音が

ドレミファソラシドと聴こえるのが絶対音感である。

これを持ち合わせていると音楽に関する事では

なかなかの才能を現す事ができる。

うたもその絶対音感を持った人だった。

しかしその絶対音感はそういう慣れないと

音に悩まされる症状も起こるらしい。

うたもメニエール病というめまいと耳鳴りに悩まされ、

ストーリーでもうたは耳が聴こえなくなってしまう。

音楽をやっている人にとって音が聴こえないのは

致命的な事であるんだけれど、

かつてベートーベンも耳が聴こえない中でも

素晴らしい音楽を作り出したように、

うたもその病気に悩まされながらも

素晴らしい曲を奏で続けた。

しかしそれがゆえにうたは友達がなく、

常に孤独の中でピアノを弾いていた。

そんな毎日に窮屈を覚えてうたは

ピアノの練習を辞めてしまった。

しかしそこで出会ったのがワオだった。

ワオはうたと違ってピアノの才能はそれほどないけれど、

ワオはピアノが好きで続けている。

そんなワオと出会ったうたは

次第にワオに心を開いていった。

そんなうたも父の事を知る事で

自分の病気について考えるようになる。

確かに絶対音感をもっているうたには

父が悩まされた病気と同じ症状を持っている事に

不安を感じていたのだろう。

そんな中でうたに大きな転機が訪れる。

うたの才能を感じたリヒテンシュタインが

彼女に伴奏を任そうとした事で

うたはコンサートの伴奏を担当する。

そのピアノは多くの人の心を捉えた。

うたもここが自分の居場所だと思って

持てる才能の全てを注いだ。

終わった瞬間その奏でたピアノは人々の心を捉えた。

しかし次の瞬間彼女から音が失われた。

うたにとっては自分の居場所じゃなかった。

うたにとって確かに才能があるから

ピアノをやらされるというものがあった。

才能がないのに好きでピアノを弾くワオとは

正反対だった事でうたには

ワオが羨ましかったのは

このストーリーの前に描かれていたんだけれど、

うたにとって本当の居場所とは

コンサート会場よりももっと大切な場所が

うたにとっての居場所だという事を音を失って気づく。

これは誰もでもそうだけれど、

自分の居場所がここなんだ!

と本当にわかる時っていつなのかはわからない。

うたも何時も孤独の中にいながらも

自分の居場所があったものの、

その居場所は母親の美香によって

居場所がなくなってしまった。

ゆえにうたは音を失ってもなお

自分の居場所を探し続けて歩いた。

その場所には孤独ではなくワオがいた。

それは劇場で観てほしい部分なので

詳細は書かないけれど、

総評として例え才能があっても

天職であってもその人にとってそれが好きな事、

愛している事でなければ

その才能は最大限に発揮されない。

もちろんその逆に才能がなくても好きで、

愛する事であれば最大限に才能を

発揮される事だってある。

私はどちらかというと後者だ。

野球は好きだけれど下手、

しかし好きだから愛しているから

時として自分の持てる才能を

最大限に発揮できる事がある。

それはプレーでも試合を観る目など

さまざまな事になるんだけれど、

私の場合はある意味経験がもたらしているものであり、

才能という訳じゃない。

個人的に才能はないと感じているので、

経験から得る事が実はない才能をある才能に

変えていける場合もある。

正直私自身うたのような才能があれば確かに羨ましい。

個人的にも私自身はワオみたいなタイプなので

人の倍は練習しないと人並みにも人以上にもなれない。

才能があるだけじゃダメなんだ。

好きなだけじゃダメなんだ。

では何が必要なのか?

それはこの結末にある愛する事なのだと思う。

もちろんそれは才能を愛する事でもなく、

音楽を愛する事でもない。

人を愛する事だ。

その上で始めて全てを愛して愛せるんだ。

私も野球を愛する前に選手達、

アーティストを愛しているし、

その愛した先に野球だったり、

サッカーだったり、

音楽だったり、

映画だったりする。

この主人公うたもワオという愛するものを見つけた。

それは恋愛とは違った愛だけれど、

色々な形ある愛の1つと受け取れば

良いのかもしれない。

愛する事には全てを愛しまない。

その先に自分の居場所があるの

ならその愛を見つけられるだろう。

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