3日公開の映画「手紙」を鑑賞した。

この映画は殺人事件を犯して無期懲役で

服役している兄と世間からの差別に

苦しむその弟との手紙を通じたやりとりが描かれている。

今は殆どメールでのやりとりが多くなったけれど、

手紙から思いが伝わる事もあるし、

それで苦しむ事もある事を確りと描かれており、

苦悩する側の思いが確り描かれている。
血縁関係というのはどんなに避けようとも

避ける事のできないものである。

それが偉大な人ならまた違った見方で見られるけれど、

その逆にこの映画でも出てくる犯罪者のと

いう事になるとさらに苦しい差別が待っている。

人は何かを背負いながら生きているものだけれど、

兄が犯した罪が弟や家族まで及んでしまう事を

確り描いた事は評価したい。

弟は何もしていないのに

その犯罪者と見られる苦悩とともに・・・

キャストは

服役囚の兄を持ちながら、

それが自分の為だった事に抱えながらも

お笑いに夢をかける武島直貴演じる山田孝之

その兄で強盗殺人事件で無期懲役で

服役中の武島剛志演じる玉山鉄二

同じ工場で働いていた直貴に惹かれ、

のちに直貴の恋を応援したり、

励ましたりしながらも兄との繋がりを繋いで

直貴と結ばれる白石由美子演じる沢尻エリカ

お笑いコンビのテラタケの相方で直貴の事情を

知りながらも変わらない友情でいる

寺尾祐輔演じる尾上寛之

合コンで直貴と知り合って交際し、急速に惹かれ合うが、

大企業の専務令嬢である事などを理由に

兄の存在により別れざるえなくなった

中条朝美演じる吹石一恵

他のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

川崎のリサイクル工場へ向かう送迎バス。

最後部座席に、野球帽を目深に被った青年の姿がある。

武島直貴、20歳。陽気なバスの運転手にも、

毎朝噂話に興じるパートタイムのおばさん連中にも、

やたらと直貴に話しかけてくる食堂の

配膳係・由美子にもまるで打ち解けない

暗い目をしたこの青年には、

人目を避けねばならない理由があった。

兄・剛志が、直貴を大学にやるための学費欲しさに

盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまい、

千葉の刑務所に服役中なのだ。

直貴が心を開くのは、

全てを知っている子供の頃からの親友・寺尾祐輔だけ。

二人は中二の頃から「テラタケ」

というお笑いコンビを組み、

地元の小さなライブスペースを中心に、

細々と特にあてもない活動を続けていた。

「プロを目指そうぜ」と口では語り合いながら、

兄の事件が周知のものとなる度に

転職と引越しを余儀なくされてきた直貴には、

それは最初から諦めてしまっている夢物語だった。

直貴のもとには、毎月手紙が届く。

宛名面に淡いピンクの桜の印が押されている。

―刑務所の検閲印。

手紙は、無期懲役を宣告された剛志にとっては、

自分と塀の外とを繋ぐ唯一の絆であり、

生きがいそのものである。

そして兄が罪を犯したのは結局は自分のせいなのだと

自責する直貴にとっても、手紙はひとつの贖罪であり、

少しでも兄の心が慰められればと、

自らの日常を丹念に綴った返事を書き送っていた。

そんな中で直貴は会社の同僚に兄の事が

ばれてしまい会社を辞める事になるが、

そこから直貴は祐輔とともにお笑いの世界を目指す。

そこで直貴はお笑いで成功のキッカケを掴み、

朝美という恋人ができて夢を掴もうとしていた

矢先にインターネットの掲示板で直貴の兄の事が

書き込まれたのをキッカケに

その夢と恋人を全て失ってしまう。

その後デンキ屋に就職するがそこでも

左遷されてしまい自分の人生と兄の存在を恨んだ。

しかしそれを救ったのは

由美子のある手紙からだった・・・

その結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてはまず何の罪のない弟が

兄の殺人事件を犯した事でそのいわれを

受け続ける事に苦悩するというのが

このストーリーとして非常に上手く描かれていた。

一般的に見ると殺人事件を犯した人の家族について

世間がどのように見られているのか?と考えると、

一般的にはその家族も同罪と考えている

世間体は否定できないだろう。

しかしその家族には何も罪を犯していない以上は

その世間体というしがらみを確り割り切れるように

ならなければならないのかもしれない。

ここで登場する直貴は幼い時に母親を

亡くしてから貧しいながらも

夢を持って生きてきた青年だった。

しかしそれが兄の過ちにより全てが崩れていく。

この映画でも語られている

「兄貴がいる限り、オレの人生はハズレ。」

と語っているように兄のせいで世間は

全て白い目でみられる人生を送り続けていた。

そんな兄と弟は手紙でやりとりを続けていたんだけれど、

これがある意味直貴をその被害者の

家族を苦しめ続ける不幸の手紙となっている事に

序盤では気付かないでいた。

最愛の兄であり、その想いが断ち切れなかった。

確かに最愛の兄を簡単に割り切れない

気持ちはこの時点でもわかるし、

何より小さい時から一緒に暮らしてきた

兄を亡き者と考えるのは当然難しい。

その気持ちをこの映画では上手く

描いていた事はとても評価できる。

そしてそんな中でも直貴は自分の夢と

幸せな生活を掴もうと努力し続ける。

そしてその夢を掴み、幸せを掴みかけた矢先に

巨大無法掲示板の悪意ある書き込みにより夢は消え、

恋人とは手切れ金を渡されて

別れなければならない自分の運命を呪った。

そんな中でも直貴には良き理解者が

いたのが最終的に彼を救った。

1人は中学時代からの親友でお笑いコンビを組んだ

「テラタケ」の祐輔、祐輔がいた事で

直貴はどの時代も孤独にならずに夢を持ち続けられた。

コンビは解消する事になったけれど、

その友情は何時までも変わらないままで

いれた事は真の親友と言える存在だった事は

直貴にとって1つの支えとなった。

そしてもう1人は由美子の存在、

最初は由美子が直貴の事を好きに

なり近づいていくんだけれど、

直貴から兄の事を告げられた事でより

直貴の事を理解しようとし続ける事になる。

由美子もまた直貴と同じ境遇で育った事が

直貴がどんな状況であっても応援し続けるけれど、

それが次第に直貴への愛情へと変わっていく。

こういう境遇の人ってなかなか普通の人では

理解できない面が強いけれど、

由美子のような境遇の人と出会うと

その理解度はやはり違ってくるものだと思う。

直貴に恋人ができてもそれを応援し続けるだけの

愛情が由美子にはあった。

その由美子も直貴に出会った事で

自分の人生を前向きに生きようとして強くなっていった。

出会った頃からその時代時代によって

変わっていく由美子は直貴を愛する事で

変わって行ったんだけれど、

その中で兄との手紙の存在を知り、

そのやりとりを知る事で手紙を

直貴に代わってに送り続けていた。

パソコンで手紙を作っているのは

筆跡がばれるからというのは

確かにその通りだけれど、

その為に殆ど慣れなかったであろう

由美子がパソコンを選んでほしいと

直貴に頼んだのは直貴の為だったと

わかった時にはそういう事だったのかと

その意図が良くわかった。

そして直貴と由美子は共に

生きて行く事を決意するに当たって

最後の手紙を書くんだけれど、

これが全ての連鎖を断ち切る事になる手紙になるとは

直貴も気付かなかったかもしれない。

それは直貴が被害者家族に会う事でわかるんだけれど、

確かに直貴も苦しんだが、

被害者家族はもっと苦しんでいた。

手紙は一見良いように捉えると幸福の手紙だが、

送り主によっては不幸の手紙となるし、

それがその家族や被害者を苦しめ続ける事になる事を

塀の中にいた兄にはわかる術がなかった。

しかしその連鎖を断ち切れるのは

誰でもない家族の言葉1つだけだったのを

この映画で確り描いた。

確かに想いの強い人を切る事は簡単な事じゃない。

しかしその想いを断ち切れないばかりに

苦しみ続ける人もいる事も忘れてはならない。

それができるのは家族だけなのだから・・・

それが解れば塀の中の兄が下す

結論は1つだけになるだろう。

これはその被害者、

加害者の家族に限った事じゃないけれど、

それぞれの想った人を切る事は簡単な事

じゃない事も数多く見続けている。

悪い事をした愛して止まなかった人を切るって

実は非常に檀上の想いと決断が必要なのだ。

そうそれはそれ以降その存在全てを否定する事を

意味する訳であり、

どんなに素晴らしい活躍をしたとしても

その活躍は全て無だ。

それゆえに私はその人達を常に悪の存在をして

見続けなければならないし、

常にその事を問い続けなければならない。

それによりその存在がどれだけ事の重大さを

忘れずにい続けられるのかと忘れない為でもある。

最近はその罪の重さを忘れて夢を売る屑もいるが、

先日の著作権の件についても真の意味を

問えばその重さに辿り着くのだ。

残念ながらそれに気付かない人が

あまりにも多過ぎるのが現実だ。

しかしそれは私も十分理解しているし

解ってもらえないだろうし、

解ったとしても認めたくないものだと

解ってもその考えを変えるつもりは一切ない。

それを認めれば全てを認めることになる事を

解っているから・・・

最後の総評としてあくまでこの罪を犯したのは

兄であり弟ではない。

兄がしたから弟がすると考えるのは

あまりにも情けない考えだ。

私自身は悪い事をしていない人に対しては

例え少数派だろうと味方になる事はするので、

この映画を通じて本当に責められなければ

ならないのは罪を犯した兄であり、

罪をおかしていない弟じゃない。

その事を1人でも多くの人が理解して

頂ける事に繋がるならこの映画の意味は非常に大きいし、

そうなってほしいと願いたい。

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